小林麻央さんは初期治療と精密検査を拒否した理由はなぜだったのか。その理由が乳がんで亡くなった麻央さんの人間ドックで「五分五分でがん」と指摘されたことにあった。しかし再検査の結果、経過観察となり、生検は見送られた。その後、麻央さん自身がしこりを発見し、処置が施されたものの、本格的な治療には至らなかった。2年後にはがんが「ステージ4」に進行していた。乳がん関連遺伝子「BRCA1」の発見者である東京医科歯科大学の三木義男教授は、最初の段階で家族性の乳がんを疑うべきだったと指摘している。また、未解明の遺伝子による遺伝性の可能性もあると述べている。家族性の乳がんの割合は全体の5~10%程度であるが、30代で発症する場合は遺伝性を疑うべきだという意見もある。小林麻央さんの治療の遅れと手術が難しい段階への進行は、早期発見の大切さを示していると言える。